外泊ニャン

吾が輩、

かれこれ外泊が続いておる。
あるじなどは寒くなれば帰るであろうなどとおもひておるやうであるが、この天然の毛皮をにゃめててもらつては困る。ましてや物騒な白君がうろうろしておると聞き及びては、仮にのんきなあるじにうながされ帰るには帰れても出る時に襲われたのではたまったものではないのであーる。
そこでさしずめきまえのよい供物に哲郎か知らんなどとはあるじにしてはよいアイデアではあるものの一通り出前を平らげておいてから鼻も触らせぬで置いたら
そうかそうかと喜んでおるようでアルカラどしがたひ。誤解がないように伸び―ッとしておいてやったのであるがどうにも伝わらぬやうである。

あなかしこあなかしこ